加齢とともに増える内臓脂肪の恐怖

中年以降の健康管理で非常に重要なのがインナーマッスルの強化です。
若い頃はどんなに食べても太らないという体質であった人も、30歳を超えた頃から自然と体全体がたるみを生じるようになってきて、40歳を迎えるときにはすっかり中年体型になってしまいます。

中年体型とはいわゆる「メタボ体型」と言われるもので、男性はリンゴ型、女性は洋ナシ型に腰回りを中心に肉がついてきてしまいます。

若い人の中にも肥満体型の人はいますが、よく見てみると中年以降の肥満とは少し様子が異なります。
中年体型を作り出してしまう大きな理由は内臓脂肪の増加であり、CTで内臓の検査をしてみるとその様子は一目瞭然です。

なぜ加齢によって内臓脂肪が増加するかというと、それは体の基礎代謝機能が減退してしまうからです。
基礎代謝とはじっとしていても消費をする体のエネルギーのことで、主に呼吸や消化などの内臓機能に使用されます。

内臓脂肪は皮下脂肪と比較して蓄積されやすいという特徴があり、一旦付き始めてしまうとなかなかスタイルを戻すのは難しくなってしまいます。

しかし一方で生活習慣や食習慣を改善することで比較的分解がしやすいという特徴もありますので、中年太りを感じるようになってきたら普段の食生活を見直すようにしましょう。

中年体型を防ぐことは長期的には健康寿命を伸ばし、長く運動能力を維持することにもつながっていきます。

内臓脂肪を増やす習慣・減らす習慣

まず内臓脂肪を急激に増やしてしまう二大原因として「過食」と「運動不足」が挙げられます。
太るということは一日に摂取するカロリーよりも消費するカロリーが少ないということですので、過食によるオーバーカロリーが長く続くとどんどん体重は増加してしまうのです。

定期的に運動をすることは一日の消費カロリーを増やすとともに、体内の筋肉量を増やし基礎代謝を上げる効果があるので、若いうちから何か一つでも運動を習慣にすることが勧められます。

次に食事についてですが、内臓脂肪を増加させるのは「夜型」の食生活です。
忙しい仕事をしている人などは、朝はギリギリまで寝ているので朝食を抜いて会社に行き、昼には油ものの定食をがっつりと食べ、夜遅くまで残業をしながらちょいちょいと間食をして帰りには一杯ひっかけて帰るといった生活をしていたりします。

そうした夜にカロリーが偏った食生活は同じカロリー量でも脂肪になりやすいため、1年も続ければあっという間に体重は10キロ近く太ってしまいます。

どうしても夜型になってしまうという人は、まず朝ごはんを食べるという習慣をつけるようにしましょう。
また、寝る前にカップラーメンなど脂肪分と塩分が高いものを食べないようにするだけでもかなり違ってきます。