一日の活力をつけてくれる朝ごはん

子供を対象とした「食育」の場面では、特に強調されるのが「朝食を食べる」ということです。
全国の小中学生を対象にした調査では、朝食を毎日食べていると答えた生徒は小学6年生で約88.5%、中学3年生で82.2%となっています。

「どちらかといえば食べている」という答えも数%存在していますが、全体としては10人に1人くらいの子供は朝食を食べずに学校に来ているのです。

朝食を食べると答えた子供と食べていないという子供とで学力を比較してみると、食べている子供の方が相対的によい学習成績をしていることがわかっています。

これはさまざまな原因が考えられますが、朝ごはんを食べてこないと脳を動かすためのエネルギーが不足してしまうので、授業の内容をうまく頭に入れることができないということがまず最初に挙げられます。

さらに朝ごはんを食べられない子供というのは朝ギリギリまで寝ているという生活習慣がくせになっているので、夜更かしをしすぎてしまっていたりして体調管理ができていない、ということも間接的な理由です。

つまり朝食をきちんと食べるということは、単に一食分のカロリーを摂取するかどうかということだけでなく、その人のライフスタイルの充実にまで関わってくるということです。

大人になってある程度体ができていれば、朝ごはんを食べなくてもそれなりに活動ができるかもしれませんが、大人と比較して多くのカロリーを必要とする子供においては朝の一食が持つ意味はとても大きくなります。

大げさに聞こえるかもしれませんが、朝ごはんを食べるということは子供の成長を促進し人生をよりよくするための要素になるので、もし食べる習慣がないという家庭なら今一度考え直すことをおすすめします。

大人にとっての幸福度も朝食に左右されている

朝食の重要性は子供だけでなく大人にとっても重要な問題です。
20代~60代のビジネスマンを対象にした調査でも、人生における「幸福感」と「朝食を食べている」ということには大きな相関関係が見られています。

特に朝しっかりとしたバランスの朝食を食べている人ほど人生の幸福度が高いという傾向があり、余裕を持って朝の食事ができるかどうかという環境もまた大きな要素であることがわかります。

自分ではそれと意識をしていなくても、朝食を抜いた状態での午前中の活動は集中力が欠けており、細かいミスが多くなってしまうのです。

また午前中をぼんやりして過ごしてしまうことで一日の業務が午後にしわ寄せされてしまい、結局帰りが遅くなるという悪循環を生み出すことにもなります。

家族がいる人にとっては、特に朝の食事はみんなで顔を合わせる重要なひとときです。