眼科で目の一般検査や訓練をする仕事
視能訓練士は、病院や民間診療施設の眼科に勤務をして訪れる患者さんに対し、眼科医の指導のもと視力検査や指導・矯正などを行っていく仕事です。
担当するのは目に関する診療や検査のみとなっていますが、人の目は人体の器官の中でも特に複雑な構造をしており、専任で担当する人材が必要となります。
例えば「視能検査」と言われるものの中には視力だけでなく、視野、屈折、調節、色覚、光覚、眼圧、眼位、眼球運動、瞳孔、涙液、涙道といったものが含まれてきます。
さらに詳細な検査のためには超音波や電気生理学、写真撮影といったことを行わなくてはいけないため、医師の指導のもとでこれらの検査を的確に行う技能を持つ人が求められるのです。
実際の眼科において視能訓練士が行う主な担当業務の一つとして、両眼視機能に障害がある人に対しての矯正訓練や光学検査機器による機能回復といったことがあります。
他にも高齢者や視力が低下している人に対して視力が回復するためのリハビリやトレーニングを行っていきます。
矯正に機器類が必要な場合にはその選定や使い方の指導を行います。
以前までの視能訓練士の主な業務は斜視や弱視といった目の障害の回復業務でしたが、現在はより範囲の広い視機能検査や回復のための一般業務が含まれるようになりました。
就職までの主なルートとしては、まず高等学校を卒業してから専門学校・短大もしくは大学の視能訓練士養成課程がある学校へ進学します。
卒業時に視能訓練士国家試験を受験し、合格をすることで免許登録ができるので、それを元に全国の眼科施設へ就職します。
眼科指導の必要性と活躍の場の拡大
視力の低下は日常生活において非常に大きな問題です。
人間は外界の情報の約9割を視認によって受け取っていると言われており、視機能の低下はそのまま日常生活の不便へと繋がってしまいます。
一方で意外に目について正しい知識を持っていない人も多いようで、しばしばコンタクトレンズの不適切な着用によって眼科を訪れる人が見られています。
一般眼科に勤務をしている視能訓練士の業務として非常に多いのがこのコンタクトレンズについての指導で、特に若い人に対しての適切な眼科指導は重要な任務です。
現在では視力矯正だけでなくファッションとしてコンタクトレンズが使用されるケースも多く、そうした人の多くは眼科を利用せず個人でレンズを購入して着用していたりします。
視能訓練士では集団検診視能機能スクリーニングとして保健所や学校などを周り、眼科について正しい指導を行うということも近年では広く行うようになっています。
目についての啓蒙活動を行っていくことも現代の視能訓練士の仕事です。