生命維持管理装置の保守点検をする仕事

臨床工学技士とは、病院などの診療施設で取り扱われている生命維持に関する装置を主に操作するための仕事です。
具体的には人工呼吸器や人工透析装置、人工心肺装置といったものです。

これらの機器は重い内臓疾患を患っている人に装着するもので、正しく使用をしなければ生命の危機にも関わってきます。

そのため危機を操作するために専門の知識と技能を持った人材が必要となり、国家資格として「臨床工学技士」が設置されています。

臨床工学技士として勤務をするためにはまず高等学校を卒業後大学、専門学校などの養成課程がある学校へ進学します。
専門学校の養成課程は3年制ですが、大学では4年制です。

卒業時に臨床工学技士国家試験を受験し、そこで合格をすることで免許の登録をすることができます。
免許取得後は病院などの診療施設の他、救急センター、医療機器メーカー等の求人に応募をして就職していきます。

特徴的なのが救急センターへの勤務が多いということで、病院勤務の場合も救急病棟など緊急性の高い診療科に配属することになるのです。

救急医療の他、手術室や人工透析科に勤務をする例がほとんどで、いずれにしても高い責任感と集中して業務にあたる姿勢が求められます。

勤務方法により給与額は大きく異なる

臨床工学技士の給与待遇は勤務先によってかなり大きく差があります。
新卒で病院勤務をした臨床工学技士の平均年収は350万円程度となっていますが、ベテラン技師になってくると年収600万円クラスとかなり高収入です。

これは本人が担当することができる機器類の種類や熟練度に関係していますが、その他にも夜勤シフトなどどういった働き方をするかによって変わってきます。

看護師など同様夜勤が欠かせない業務であることから、病棟の深夜時間帯に入ることで年収は大きくなります。
しかしやはりそうした無理のきく働き方は長年続けることはできませんので、年齢が高くなるにつれて新しい業務を覚えるなどキャリアアップをしていくということが望ましいでしょう。

放射線や医療機器を取り扱うための知識は理系業務ということで、以前までは男性が多かったのですが、近年では女性の資格者も増えてきています。

特に女性専門の検査としてマンモグラフィ(乳房X線検査)などの需要が増えているので、そうしたところに勤務をする女性技師さんが多く求人されています。

また生命維持装置を装着するときには患者さんや家族にしっかり説明するためのコミュニケーション能力も求められます。

入院患者や透析患者の不安を取り除き安心して治療をしてもらう意味でも、今後女性技師が多く活躍の場を広げていくことになると予想されます。