電気信号により血流の状態を確認する医療用機器

健康管理や病期診断をするときに必要になるのが血液状態の検査ですが、実際に採血をしなくても外部機器により詳細に検査をすることができる機器があります。

それが「新型経皮血液ガスシステム」で、以前よりラジオメーター株式会社が製造販売をしてきました。
システムは「TCM」という名称で複数の機器が製造されており、それぞれどのような目的で検査をするかによって使い分けられています。

まず「経皮血液ガスシステム」とはどういうものかという事から説明をすると、モニタ機器から耳たぶなど体の部分に装置を着用することにより、血液状態を測定します。

この技術を最初に開発したのはデンマークのラジオメーター社という企業で、2000年に初めて製品化して以来世界50カ国の医療現場で使用をされることとなっています。

機器を体の部分に装着することにより、皮下に流れている酸素分圧を測定することができるようになっており、そのガス成分を測定することにより血液状態を詳細に把握することができます。

日本において本格的に導入されたのは2002年からのことですが、2016年まではこの機器を使用した検査は保険適用外とされており、病院負担で使用をされてきました。

現在では医療保険の適用範囲内に認定されることとなりましたので、最新モデルである「TCM5」は多くの医療機関の現場で見かけることができます。

「TCM5」の特徴と最新機能

2017年2月より販売されることになった「TCM5」は、以前までの「TCM4」よりも大幅に機能がアップデートされています。

まず従来モデルと大きく異なっているのが外観です。
機器には大きなモニタ画面が設置されていますが、「TCM5」からはデザインを一新し、スタイリッシュな印象の機器として生まれ変わっています。

デザインだけでなく計測可能な数値も増加しており、さらにスマートフォンやタブレットと連動した操作が可能となっています。

さらに以前までの「TCM」では、測定をするときに機器を体につけ直すたびにキャリブレーション(目盛の調整)をしなければいけなかったのですが、「TCM5」からはそうした手間を省き、素早く複数の箇所を測定することができるようになりました。

モニタ部分を一新したことで視認性も良くなっており、特に重要なアラーム部分については見逃しのないように、最も目立つ部分に360°の角度で見えるようになっています。

ラジオメーター社が初期モデルを開発して20年以上が既に経過しました。
「TCM5」はその技術の結晶として、今後よりいっそう多くの医療機関で重要な役割を担っていくことになるでしょう。