先進的な福祉器具の開発メーカー「exii」の新製品

東京都に本社を置く「exiii(イクシー株式会社)」は、これまで数多くのVRや電子機器を開発してきた企業です。

代表的な製品として筋電義手の「handiii」や、その進化版となる「HACKberry」といったものがあり、画期的な福祉機器を開発するベンチャー企業として注目をされています。

そんなexiiの新製品として注目をされているのが「EXOS」という外骨格型をした力触覚提示デバイスです。
既にゲーム用機器としてVRが一般販売をされていますが、こうした触覚を再現する機器が登場することにより、更に現実に近い仮想空間を構築できる可能性が生まれます。

まず「exii」から少し説明をすると、元パナソニックの社員であった山浦氏が2013年から家庭用3Dプリンタが普及するようになったことをきっかけに新たに立ち上げた会社です。

もともとものづくりが好きで趣味で開発をしてきたという山浦氏が、知り合いのデザイナーである小西氏を誘い、本格的な義手(ロボットハンド)を作ろうとしたのがきっかけであったそうです。

最初に作った筋電義手は国際的なコンペで世界第2位を受賞し、その後も順調に会社として運営を続けています。

非常に珍しいのが義手という製品は世間的なニーズが決して高くないことから、開発した製品の特許をとって独占販売をするという方法はとらずオープンソースで技術を公開しているという点です。

あえてオープンソースにすることにより、興味を持ってくれた人が開発に参加をしてくれたり、資金を援助してくれたりという動きが発生しました。

実際の製品としての義手はNPO法人Mission ARM Japanに移管をして、使用できる状態で障害者のもとに届けられるようになっています。

「EXOS」で出来ることとは

新製品の「EXOS」ですが、これは人の手に装着することで触感を得ることができるようになっています。
「EXOS」はシリーズ製品として3種類があり、用途によって使い分けがされます。

最初に作られたのが「EXOS exoskeleton series」で、主に指先につけることでモノを掴んだときの感覚を再現することが可能です。

次の「EXOS Haptic Display」は、VRグラスを着用することにより飛行機の操縦のような高度な触感を体験することができます。

もう一つの「EXOS Bilateral Control」は手や腕に機器を装着することにより、連動したロボットアームを操作することができるものです。

ロボットアームが触れたりつかんだりしたものはそのまま感覚として装着をした人の体に伝えられるので、遠隔地から手作業が必要な場面に応用できます。