制度の変更が相次ぐ過渡期にある薬剤師

人手不足や医療の高度化のために急速に制度再設計が行われている医療業界ですが、中でもとりわけ大改革が行われているのが薬剤師です。

まず最も大きな制度変更といえるのが平成18年度からの学校教育法の改正で、大学の薬剤師養成課程がそれまでの4年制から6年制になりました。

それに伴って薬剤師の国家試験の内容もかなり大きく変更されており、ここ10年くらいの薬剤師は都度対応を迫られることになっています。

それ以後も薬事法の改正など医療における薬学の位置づけはちょくちょく変わっており、これから薬剤師を目指す人にとってはそうした細かな法律改正により職務を見直す必要が出てくるでしょう。

2017年時点の薬剤師資格の取得方法としては、まず高等学校を卒業後薬科大学もしくは大学の薬学部に進学します。
このとき気をつけたいのが薬学部の中には旧制度のまま4年制の教育課程を採用しているところがあるという事で、そうした学校では卒業後薬剤師免許を取得するために別の学校へ編入しなくてはいけません。

6年制の課程が修了したら国家試験を受験し、合格後登録をすることで薬剤師として勤務をすることができます。

主な就職先としては、全国にある調剤薬局やドラッグストアなどの薬品販売店の他、病院内薬剤師となったり薬品メーカーに就職したりなどのルートです。

社会全体として薬剤を広く扱うようにし、薬剤に関しての規制を緩和していることから、薬剤師の勤務先や勤務形態というものは非常に幅広くなっています。

例えば、派遣としての働き方が挙げられます。現代において雇用形態はあまり関係なく、派遣として様々な職場で経験を積み、しっかりと資格を保持していることでベテランとなれることもあります。
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医薬分業は今後進んでいくか?

薬剤師をめぐる制度が近年急激に変化してきている背景には、欧米のような医薬分業を日本で推進したいという流れがあります。

欧米においては医業と薬業はきっちりと分業されており、薬剤師資格者は医療関連業務と区別をされています。

以前までの薬剤師制度では、薬剤師の仕事は医師による処方箋をそのまま薬として出すというものだったのですが、薬剤師資格の取得を難しくしたことで薬を出すという責任をより重いものにしました。

現在の薬剤師の業務としては、調剤薬局などの薬剤窓口で処方箋を受取、その記載内容をもとに患者さんにヒアリングをして、最も適していると思われる薬を処方していきます。

医薬品として分類されている薬剤を販売する場合には口頭で説明をしなくてはいけないなど、細かな決まりが薬事法によって定められているので、専門家の立場として薬剤師は患者さんに服用の注意点を詳しく説明します。

もし処方箋の内容に間違いではないかと思われる箇所がある場合には、処方をした病院や医師に連絡をとり、その内容が本当であるかの確認をするというのも重要な薬剤師の仕事です。