義肢装具士の仕事内容

義肢装具士とは、身体の機能に何らかの障害がある人を対象に義手や義足、その他の装具品を製作しまた適合させていくという仕事です。
義手や義足などは既成品として同じものを使うことができず、患者さんの一人ひとりの体にあったものを作って行く必要がありますので、専門的な知識をもとにどういったものにするかを設計していくことが重要な役割になります。

義肢装具士として仕事をする場所としては、民間の義肢装具製作施設が最も多くなりますが、その他にも公立のリハビリセンターや義肢装具に関する材料を取り扱うメーカーなどに就職する場合があります。

事故や病気などで身体の部分をなくしてしまった人というのは精神的にも落ち込んでいることから、義肢装具士はそうした日常生活のハンディをなくすことができるように、精神的なケアをしながら製作にあたっていくことが重要になってきます。
仕事をするときには、病院施設やリハビリセンターなど関連する医療チームや患者さんの家族とも連携して行っていき、チームとして働くコミュニケーション能力や連帯力などが求められます。

義肢装具士になるには

義肢装具士となるためには、まず専門の資格を取得しなければなりません。
資格は国家資格として扱われており、詳細は「義肢装具士法」という法律によって定められています。

資格を得るためにはまず先に受験資格を満たす必要があり、大学に入学できるもの(高卒以上の学歴)が義肢装具士養成学校で3年以上の課程を修了することで卒業時に受験が可能となります。
試験では医学の知識や義肢装具に関する出題が筆記試験でなされますが、合格率は約80%と高く、在学中にきちんと学習と実習をこなしていればほとんどの人が合格できるようになっています。

義肢装具士としての今後の展望

義肢装具士は医療系の国家資格ですが、現状では資格者が不足しがちであり、常に人材不足の状況です。
一方でパラリンピックが世界的に注目をされるなど、義肢装具関連の業界はここ数年で非常に早く進化発展をしており、より優秀な義肢装具士を育成していくことが社会的にも求められてきています。

ほとんどの人は高校卒業後に専門学校に進学して、そこで資格取得を目指していきますが、技能職ということもあり、社会人になってから新たに資格取得を目指すという人も珍しくありません。

また、義肢装具は日本だけでなく世界的にも高い需要があり、特に東南アジア地域では多くの日本人の義肢装具士が活躍をしています。
国際的に活躍の場があるということから他の医療資格を取得した人が目指すケースもあり、今後も専門職としての役割はより高くなっていくことが予想されます。