病院内の検査を専門に行う仕事
臨床検査技師は、病院内で行われる数多くの検査を専門的に行う仕事です。
病気やケガをしたときに診療施設に行くと、まず医師の問診を受けた後、何らかの検査をするように指示されるのが一般的です。
具体的には血液検査や尿検査といった生体検査にあたるものです。
ケガの場合は骨折など内部に重大な損傷が発生していないかどうかを、機器を使って検査する場合もあります。
臨床検査技師が行う検査業務は大きく分けて「検体検査」と「生理学的検査」があります。
「検体検査」とは血液など体液を採取することにより、内部に含まれている成分を調べ、そこから体内に何らかの異常がないかをチェックするものです。
専門的なものになるとがん検診のときの細胞検索など組織診断を行うことがあり、いずれも患者さんの体の一部を使用して数値を調べるというものとなっています。
もう一つの「生理学的検査」というのは、外部から医療機器を設置して、そこから起こる反応を見るというものです。
具体的には「心電図」「脳波」「超音波」などの検査のことで、これら高度な医療機器を正確に扱うというのが臨床検査技師の仕事となります。
臨床検査技師になるためには、高等学校卒業後にまず臨床検査技師養成課程のある専門学校もしくは短大、大学へと進学します。
養成課程を修了したところで国家試験の受験資格が得られるので、卒業前に合格をすることにより新卒で医療関連施設に就職をすることが可能です。
安定的な仕事ができるものの人員は過剰気味
臨床検査技師は他の医療関連職と比較して時間的に余裕があり、勤務しやすい職であると言えます。
そのため女性で資格を取得する人の割合も多く、妊娠出産のために一時的に仕事をやめても過去の実績をもとに転職をしやすいというメリットがあります。
業務内容も検査に関わるものであることから、救急救命のような緊急性もなく精神的なプレッシャーも大きなものではありません。
しかしそうした勤めやすさもあって、ここ近年では資格者が余剰気味になっているという問題があります。
臨床検査技師の給与は決して高いものではなく、国立もしくは都道府県立病院では月収は16万円程度が平均額です。
そこに若干の調整手当がつくので手取り額は少し多めになりますが、人員そのものが余剰となっていることにより、給与が上がりにくいという状況は依然として続いています。
さらに医療機器分野は発展がめざましく、短いスパンでどんどん新しい機器が登場してきています。
総合病院のような臨床例の多い施設ではそうした新しい機器もいち早く購入しますので、それらに対応できるように日々勉強をしていかなければいけません。